「Google ネット覇者の真実」を読んだ

2017–07–17

これまで、Googleの成長をリアルタイムで体験しながらネットを利用してきたわけですが、 Googleが企業し、小さな企業から大企業へとなっていく華やかな成長の裏で、 中の人は何を考え、苦悩してきたのかがわかる本です。

内容

検索エンジンのキラーアイデアとなったページランクから始まり、打ち出の小槌のAdwardsにより、お金の心配なく企業を運営してきたGoogle。 そんなGoogleが「邪悪になるな」をモットーにしながらも、プライバシーや著作権の問題で、リアル世界では批判にさらされていく様子が克明に描かれています。 小さな企業だった頃はグレーゾーンを突き進んでイノベーションを起こしてきたGoogleが、 大企業になって無茶はできなくなっていき、リアルな世界と調整していくに当たって保守的にならざる得なくなるところが印象的でした。

特に面白かった所

ペイジが書いた初期の検索エンジンはJavaで書かれていたが、バグだらけで後にPythonで書き直されたそうです。 また、インデックスの更新に非常に時間がかかったりと、技術的には今のGoogleからは考えにくいようなレベル感の話がありました。 そんな中で、今では常識となっているメモリを使った高速化の手法を編み出していくわけですが、 当時としては画期的な訳で、それをゼロから考えついたというところは流石と思いました。

また、自由に見えるGoogleも思ったよりと不自由な状況になっている点も印象的でした。 大企業のしがらみからか、徐々にイノベーションを起こすだけの小回りが効かなくなっていく様が本書でも克明に描かれています。 そんな中でYoutubeという、著作権ギリギリの中でサービスを展開していく存在が非常に対照的に描かれています。 色々配慮したGoogle Videoは敗れ、Youtubeを買収することでイノベーションに乗っかることを選んだGoogle。 今後のGoogleはどうなっていくか考えさせられる買収劇でした。

考えたこと

ソーシャルの波にはすかり乗り遅れ、Facebookの後塵を拝しているGoogleですが、 最近は人工知能の分野で盛り返しているように感じます。 ブリンとペイジは創業当初から常にGoogleは人工知能の会社であると定義していたことを考えると、 大きな企業がイノベーションを起こすことは難しいと言われていますが、そこを覆す何かが起こらないかなと期待してしまいます。

まとめ

今となっては息をするように利用しているGoogleのサービスですが、 こんなにも著作権やプライバシーの問題に晒され、苦しんできたのかと驚かされました。 僕の中に漠然とあった、やんちゃなイメージのGoogleは実はもう存在していなくて、大人な会社がそこにはありました。 日本では特にGoogleのこういった苦悩は知られていないのかなとも思います。 多くのインタビューと取材によって書かれた本書は、本当のGoogleを知る上で良い一冊だと思いました。